梅ざらめ的旅日誌 〜無茶無謀を乗り越える〜

チャリでの日々をちょくちょく載せます

旅の足跡「園部・日吉ダム 〜道があるなら行け〜」


この記事を書いている9月。自分はあまり自転車に乗らなくなった。

理由はひとつ。「自転車の危険運転の厳罰化」である。

ヘルメットもない、乱横断はする、オマケにスピードは全く落とさない…………

あと一歩でブタ箱と言ったところだろう。悪いがそんなとこで人生終えるつもりは無い。

 

それはさておき、今は暫定最後の旅について記す。

去年の9月、私はいつもの通りの装備で亀岡に向かった。


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亀岡駅は周辺の開発が進んでいる。

ただまだ時間があったのでもう少し進んでみることに。


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千代川駅。国道沿いにあるのだが無人駅のようだ。木々がよく育っているので涼しい。

 

それでも尚進む。まだ進む。時間がありすぎて困るレベルには。

「どこまで行けるんやろ……」そう考えた時には遅かった。

 


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快走路というのは恐ろしい。背に受ける風が心地よいので、危機感覚を完全に麻痺させる。

ママチャリとしては非常識なスピードの中、
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ついにここまでたどり着いた。 日吉ダムである。

我ながらなんてことだろうか。ここはどこだ、と進んだ結果がここなのだ。距離にして42km、往復含めば84km。ママチャリで行くにしては非常識であろう。

そしてたどり着いたのは2時。流石に腹が減ったので昼ごはん……

 


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たかいもの高いものばかりだったので卵かけご飯を頂く。しかしこれが美味しい。匙がサクサク進む。丁度よくお腹が空いていたのでとても美味しくかんじられた(ちなみに注文出来てると勘違いして一時間座りっぱなしだったのは内緒)。

 

しかし出発から数時間、流石に漕ぎっ放しなので足が痛い。

そこで近くにあったフリーの足湯に浸かる。心地よい。

 

足湯に浸かり10分。外で散歩に出る。


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ダムにここまで近づける。そしてそのスケールの壮大さを感じ取れる。京都一の水がめは伊達ではない。

散歩も一段落し、そろそろ帰るか、と思った瞬間。


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暗い、暗すぎる。なんとここでアクシデント発生。

なんと、ライトが故障した。

無灯火運転でしょっぴかれるのは真っ平御免だ。

そしてここで最終手段。「親に迎えに来て貰う」。これにてこの旅は終わりを告げた。

 

 

それから少し経ち、今年の5月。

私は、再びあの日吉ダムに挑むことを決めた。

今度は早めに家を出て。しかし市内で迷ってしまった。これは痛い。


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老ノ坂を超え、謎の道にたどり着く。どうやらここは林道のようだ。おまけに整備はしてるが継続している気配すらない。  

ガタガタと揺れながら狭い道を進む。ガードレールなんてものは無い。


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雲ひとつない快晴とはこのことを指す。嫌になるくらい直射日光にやられ続けている。


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ここも。


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ここもそうだった!しかも強い逆風と来たものだから、チャリでもすぐに押し流される。地下も無ければ風よけすらもない。オマケに鳩もいない。

しかしそれでも進むのがママチャリ。


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大きな道を逸れ無ければ日吉ダムまで着くことは出来ない。というわけで脇道から本道に合流し……

 


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到着。梅ざらめ、2度目の日吉ダム

時間は前とほぼ同じ。やることも同じ。すぐに飯にありつこう。


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せいろ蒸しのおこわを食べた。量もある上にあったかい。お茶も飲んでここで一息。ちなみにバーベキューもあるらしのだが流石に高い。それに量もあるので家族会議の上決めておくことにする。

 


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実はここ、内部に入ることが出来る。自分は入ったが写真はない。中にはダム建造の過程、過去風水害における日吉ダムの役割、そして、建造にあたってかの地から立ち退いた当時の人たち。

果たしてそれが必要な犠牲だったのか、それを知るのは当事者しかいないのだ。

 

エレベーターで上へ。ダム湖を見てみよう。


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壮大。人為的とはいえ、川を湖に変える、というのは人類技術の果てだろう。

このダムとダム湖が、京都の川を支えてきたのだ。これが無ければ今頃我が家は巨椋池(伏見に存在した巨大な池。干拓事業で無くなっている)だろう。

しばらくダム湖を眺めながら、散歩を続ける。


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これは休憩の為に買ったお菓子。チョコと牛乳がベストマッチする。

 

散歩も終わり、帰路につく。これからが本番と言っても過言では無い。

薄暗くなる中、来た道を戻る。つまり、あの林道をまた通ることになるのだ。

恐ろしくて写真には収めていない。音が完全に遮断されたあの感覚は、今でも覚えている。得体の知れない何かが、周りにいる。そんな感覚を覚えている。

恐怖が勝り、急いで国道に戻る。

こうして、この旅は終わった。

 

疑問や恐怖、そして到達することの歓喜。ママチャリでの旅は、やめられないのだ。

都会を抜け、人一人居なくなったその瞬間、自らの非実在性を感じ取る。これが、この旅の醍醐味とも言えるだろう。